特殊な定時頭痛の鍼治療症例(選穴説明)
特殊な定時頭痛の鍼治療症例(選穴説明)
頭痛で鍼治療をする時に、部位について鍼灸の先生達は知っていると思います。後頭部から項背部ー太陽経、前額部あるいは眉間ー陽明経、側頭部ー少陽経、頭頂部ー厥陰経。この患者さんは特殊な定時頭痛のポイントは夕方に痛みを感じることです。《鍼灸大成・巻六・足少陰経穴主治》”脈起小指之下・・・从腎上貫肝膈、入肺中・・・其支者、从肺出絡心、注胸中、多気少血、酉時気血注此。”この意味は、子午流注の酉時(夕方17:00-19:00)に気血は腎経から厥陰経に流れています。もし腎陰虚になると厥陰経の気血の状態に影響をあたえ、その経脈に感覚の異常や機能の異常など生じさせます。そして部位を見ると”頭頂部ー厥陰経”なので、腎虚により頭痛を感じます。そのあと、足太陽経の流れを見ると:”目内眦(晴明穴)が初め、前額に通り、頭頂部に交わせる・・・”足太陽経と少陰経は陰陽表裏の関係ですので、少陰経の太溪穴を決めました。脈診で確認すると、やはり左尺脈が虚脈でした。《鍼灸大成・奇経八脈》:”陰維脈者、維于陰、其脈起于諸陰之交・・・”なので、陰維脈の内関穴も決めました。
この頭痛の治療方法は標本同じく治すと言うことです。《素問・至真要大論篇》は”標と本とを知れば、之をもちいて殆からず。”と言うことですね。
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